オーチャードなので、いつも通り衣装が飾ってありませんでした。 １桁の列だったので、ちょっと恐怖（足切れ）におののいていましたが、まぁ見えた方です。

シルフィード
シルフィードはブルノンヴィル版なのですが、ルジマートフの踊り（特に足）は「う〜〜〜〜ん」と行ったところ。腕が落ちたからという事よりも、足さばきが普通でしたね。すごくうまい人だと見とれてしまうのですが。
シルフのシェスタコワはいたずら好きというより、はかなげでした。多少、足音は気になったのですが（相も変わらずコールドも）…
　
その昔、羽がもぎれるシーン　「ついてる、ついてる！」と分かるようにしっかり装置が付いていたのですが、今は目立たなくなりましたね．．．
後、エフィーに渡されたタータンが、ジェームズのそれと違うんですが…(笑) 　

騎兵隊の休息
少し変わったかな？　筋がわかりやすくなった気がします。（見慣れかもしれませんが）
以前見たときよりも、隊長さん達が大人しく（あれでもそう感じました）、また主役がでかトリオで、これはクチュルクとかの小柄なダンサーが踊った方が面白い感じがするのですが…

　白鳥３連ちゃん。
　ロットバルト去年と同じだったんですね。メイクは面白いんですが、後生ですからぼ〜〜〜っと座っているのをやめて欲しいです。
7と9は、道化の方がケガで変更になったのと、９日の方がオケ（金管）はかなりまともでしたね。７日はかなりひどかったです。ただ、アレを聞いた事があるとこんな程度でびくともしませんが。(笑)　
尚、今回席が２階席だったので、オケが良く見渡せたのですが、並び見慣れない並びでした。
ザハーロワは、う〜〜ん何かハッピーエンドで終わるせいか、悲愴感が無かったですね。というか、助かる望みをもっているオデットなのでしょうか。このところ、彼女では助からないオデット（特にボリショイは哀れ）ばかりを見ていたので。
昨年、マールイでもグリゴローヴィッチ版の黒鳥のヴァリアシオンを踊っていた今回はきちんとセルゲーエフ版スタイルでした。　が、衣装はボリショイのでしたね。ウヴァーロフは１幕は新国製？で、２幕以降ボリショイの１幕の衣装でした。踊りも演技もまぁまぁ。感情移入だったら、2004年のアナニアシヴィリのガラのダイジェスト版がすごかったですし。

日程で買っただけなのですが、全部ルジマートフの日だったんでしょうか…　(..;)
久々にスローなテンポの白鳥でした。昔はこういゆったりと踊る人多かったんですけどね。結構アニハーノフの式ってアップテンポだと思っていたのですが（やはりダンサーの好みなのですね）。そのゆったりとした音楽同様、シェスタコワのオデットは、ルジマートフがバリバリの時なら完全に喰われてしまうぐらい相変わらず大人しい方でした。彼女の場合、清という言葉が本当に似合います。
たまたま、新国との連ちゃんで（去年もなんだけど）道化がいないと寂しいな〜など思うところはありますが、全体の雰囲気のまとまりは新国より良かったと思いますね。コールドが揃うという点では、新国の方が揃っているのですが、やっぱりちょっとマスゲームが入っている感じがします。
今回ミャスニコフがロットバルト！…でしたがありきたりでしたが。（あのメイクは全員共通なんですね）
と言うよりも、ロットバルトより民族舞踊に目が行ってしまって…　新国とっておもしろーい　と見惚れていました。(笑)

I.ペレン、O.シェスタコワ　レニングラード国立バレエ
このコンビ未見。ペレンは久しぶり！でした。数日前見たドンキと違って、凄い華やいだ雰囲気でした。

N.レドフスカヤ、G.スミレンフスキー
ワシリエフ版だと、やはり平坦な舞台でやると効果も半減するような気がします。
レドフスカヤはもう１つが幻想舞踏会なので、彼女もテクニシャンなので、悪くはないけど違った演目を見たい気がしました。

草刈民代、M.シヴァコフ
んんん〜と…、最初の床でシンクロしている時はいいなぁ〜と思ったのですが、やっぱり立ってしまってはダメでしたね。草刈嬢。
他が西洋人でスタイルに差がある　という問題以前にポーズが美しくなかったです。立っても動かなければそうは問題ないとは思うのですが。

V.ロモリ
これも　んんん〜　でした。
解説見ないで見ていたのですが、ロモリと衣装と振付がマッチングしていないなぁ〜と。ニガムシかみつぶした、そり込み入りの角刈りのオヤジがスーパーマリオみたいな格好している訳で、ちょっと童顔系のダンサーが踊ったらはまるだろうに　と思ってみていました。
後で解説見たら、子どもの頃の思い出を呼び起こそうとしたもの。やっぱり…という感じです。

Ｆ．ルジマトフ 去年のガラで踊ったスペインもどきに比べると、こちらの方がずっと彼にあっていると思います。
ただ、一体誰の魂を鎮魂しているのか　と言うことに悩ましいのですが。

ピエトラガラを見るのは実に久しぶりで、ピエトラガラと打つと虎柄と出ることに今気づききました。（ユーザー辞書にいないのね）
私が苦手な典型的作品。（Don't look back も苦手だったです)見るに堪えない作品ではないのですが…　もぅ少し短ければと思うのですが、後半睡魔に襲われました。

N.レドフスカヤ、G.スミレンフスキー
このコンビによる２つめの演目。この作品、もの悲しいけれど少しロマンティックで割と好きなのですが、解説によると本来は１時間あるそうで。この調子で１時間あったら上同様、寝ちゃいそうです。

T.チェルノブロフキナ、D.ザバブーリン
この二人でグロゴローヴィッチ版というのも。でも、微妙に振付が違っているし曲もちょっと何小節か削ってあったようで…
全幕で見るなチェルノブロフキナはエギナの方で見たい物です。ちなみにこちらの二人はこの１演目のみ。

O.クチュルク　レニングラード国立バレエ
クチュルクは相変わらず綺麗だけど、初々しさにちょっと欠けるかも。４人の王子を出して　ですが、他のダンサー（ルジマトフとか）に王子役やらせれば面白いのに…

I.ペレン、A.ファジェーエフ
ペレンも堂々としていますが、この場面になれば初々しさが無くてもOKか。
夢の場でもでしたが、笑顔が多くなりましたね。前は本当に仏頂面で　もったいなかったのに。

M.プリセツカヤ
アンコールで２回踊っていました。昔瀕死の時もやっていましたが。
チュチュを来たら体型は大分崩れているのでしょうけれど、彼女の年齢を思うとスタイル、姿勢とも凄いですね．．．

D.ムッサン、V.ロモリ
シルヴィアの衣装ってもっと現代風のじゃなかったかな？　という曖昧な記憶で見ていましたが…

O.シェスタコワ、F.ルジマトフ 　レニングラード国立バレエ
つい最近、踊れる人で見た後だと、ルジマトフ悲しいです。この二人は今年は白鳥が凄く良かったので…（遠い目）
シェスタコワは、私はドンキのキトリは未見。キャストを見たときは、ガムザッティ同様　「ぇえ？」でしたが、前の週見たクチュルクより良かったですね。というか、この日の１幕のドリュアスの女王と雰囲気をガラリと変えていましたし。
彼女で全幕みたいな〜という気にさせてくれました。

J.ケント、V．マラーホフ
ＧＰＰだけど、アダージオだけなのね…　という事は別にして、コミカル系のバレエでした。
二人ともわかりやすい演技だったのだけど（バレエの場合、「喋り」で笑いを取る訳ではないですから）、もっと羽目を外して欲しかったような…

P.セミオノワ、A.ショピレフスキー
レオタードだけのシンプルな衣装なので、モダンかな？と思いきや動きは完全なクラシック。
きれいなんだけど．．．という…の理由は後で分かったのですが。

R.ラッカラ、S.ピエール
随分、印象が明るい椿姫でしたが、咳の仕方がちょっとわざとらしーかな。

M.アレクサンドロワ、S.フィーリン
これ、確か１幕の踊りですよね？
衣装が２幕のだから受ける印象が違いました。私にはアレクサンドロワはラムゼヤの印象が強く、脳天気お姫様的な設定のアスピッチャの筈が、賢そうなんですが…　フィーリンは　おぃおぃノーメイクだょ〜　

という訳でバッチリメイクの場合→ 　 しかも背景は、コンパクトに折り畳める? ボリショイのファラオのセット。

J.ケント、V.マラーホフ
体調悪くて風邪薬を飲んだせいか、この部分異常に眠かったです。
ぼ〜っとしていたので、バレエだったの一瞬忘れました。（背景が…）
それはともかく、マラーホフがあっちに行かなかったし、ケントとのコンビは凄く良かったのですが、確かゴルスキー版だったここの白鳥たちと全然あってませんでしたね。あひるというと語弊があるので、大白鳥の後ろコブ白鳥がうようよという感じで。
節制したせいか、やつれて見えるマラーホフなんですが、年上のお姉さんに求婚してお姉さん困っているような雰囲気でした。彼も結構な年なのですが、若いという役をこなすのは凄いなぁ…と思います。

P.セミオノワ、A.ショピレフスキー
セミオノワに最初に違和感を感じたのは、１つはやせた事。ほおが少しコケぎみですごく老けて見えるんですね。踊りが硬質になったかなと。役柄という訳でもなく、特にケントの柔らかい踊りを見た後だと余計に感じました。
ヴァリアシオンがグリゴローヴィッチ版。

R.ラッカラ、S.ピエール
アジアン風のメロディの曲に合わせて．．．　異常な体の動きは雰囲気的にギエムのルナを思い出したのですが、無機質なそれと違って、以上に匂い立つ色気があって…　凄いモノでした。他の人が踊るのが想像つきませんね…

M.アレクサンドロワ、S.フィーリン
このコンビで全幕見たのが２年前ですが、やっぱり背が…。ファラオの時に見せた足さばきを思うと、ガラで押して見せまくるタイプでない彼がこの演目を踊るのはちょっと…かなと思いますね。この二人のこの演目は、全幕で見た方が良いです。

V.マラーホフ
チケット買うときは新作だったと記憶しているのですが、また最後これか〜と言う感じで、悪くははないけど、昔に比べて良くなった訳でもないかな。

内容は、ダンサーによって演技が異なるので、結構面白かったです。
ニキヤは個人的に、グラチョーワ＞アラーシュ＞ザハーロワです。グラチョーワの前に昔のグラチョーワを入れたい気持ちもありますが。
今や看板？のザハーロワ、美人だし、テクもあるし、スタイルも良いし、演技もあるのですが、真のしっかりして賢そうなニキヤなので、どうみても優柔不断ソロルを見限ってもよさそうにしか見えないのです。
レニングラードでの客演で薬瓶投げ捨てた時より良かったですが（あれは最後は皆を呪うからあれで良いのかもしれませんが）…細かいところでもう少し考えて欲しかったです。初日は階段の真ん中に壷を置いてしまうし、２幕で苦行僧が階段を下りてニキヤが着た事を言っているに横から出てきてしまうし…初日と落日では演技の違いもいくつかありましたが、彼女は初日の方が良かったかな？ グラチョーワは以前に比べ演技が入念になってしまったのか、演技なのか地なのか分からない役作りだったのが、今回ちょっと作った感じが強く出ていたのと、影の王国でのバランスが私的に減点です。彼女のもっと凄いポーズでのバランスをリハで見たことがあるので出来ることは十分知っているのですが、人間じゃない役？とはいえ、テクをひけらかさないという彼女のキャラ的に×でしたね。
ザハロワと一番異なるのは、彼女にははかなさがある事。苦行僧にソロルが待っていることを伝えられたとき、ザハロワはきわめて冷静に受け止め、グラチョーワはほ〜っとなる事。尚、アラーシュはうきうき。（笑） そのアラーシュは元々の雰囲気もあってエキゾチックで一番インドの舞姫っぽかったですね。（ザハロワは髪を染めて欲しかったです）ただ、肌を黒くしているせいか、笑顔の時の白い歯が、目立ちすぎの気がしました。ついで薬瓶投げ捨ては・・・
ガムザッティも居ないことだし、ソロルが駆け寄ってくれるという期待がある演技でその落差からでしょうけど。
ガムザッティとのやりとりで、ナイフを持って追うのも逃げるガムザッティもジュテで迫力でした。ジュテで追うのはグラチョーワしか見たことが無かったのですが…。（ちょっとグラチョーワ、アレクサンドローワも期待したけど、ここはあっさりでした）
ガムザッティ、三者三様で面白いですが、一押しはアラーシュ。３人ともタカビーガムザッティなのですが、アレクサンドロワ、シプリナの超クール系と違って、アラーシュは世間知らずのお嬢様らしく少し抜けている雰囲気があったので。ソロルの壁画の前でうちひしがれているニキヤを見て、勝ち誇って喜んでいたら、いきなり斬りつけられて驚いた演技をしていたし。
ボリショイのバージョンではガムザッティはニキヤ殺害を知らない事に一応なっているのですが、シプリナ、アレクサンドロワは１幕の幕切れで殺すマイムをしますが、ニキヤに「蛇を仕掛けたののはお前だ！」と指さされたときにうろたえるガムザッティの演技が白々しいのですが、アラーシュはそれをしなかったので、２幕の態度は逆に納得いく訳です。テク的にはアレクサンドロワが一番なのですが。
２幕でニキヤが踊っているとき（アレクサンドロワの日は全く見えない席だった．．．(;.;)）シプリナはうろたえてパパラジャにしがみついて完全に親の七光りを頼ろうとしているけれど、アラーシュは鼻で笑って余裕綽々。蛇にかまれてニキヤをラジャが指さした後、のこのこニキヤ様子を見に階段を下りていくのが、いかにも世間知らずのお嬢さんらしくて良かったです。
ソロル役も三者三様なのですが、女性陣と違って、みんな今ひとつというか二つ。
ツィスカリーゼはあの目立ちたがりファッション？（３幕のマントとか）がちょっと。柔軟なのですが、ちょっと女性系が入っているのが．．．　フィーリンは２幕調子悪いのか踊りが今ひとつでしたが、品は良いのだけど…（やっぱりトラウマ）
ウヴァーロフの代役となったネポロジニー。彼も踊りは良いのは分かってはいましたが、演技があまりにも淡泊。（軟弱クラッススよりはマシですが）
その他、黄金の仏像の岩田氏は前はもっとジャンプが高かったような…　交代で踊ったメドヴェジェフの方が良かったです。
影の王国で第２バリエーションを踊ったオシポワは凄く良かった。ただ、メイクが一人だけ凄い・・・（友人曰くカバエバ風）

グラチョーワ、体の動き的には5/4の方が良かったですが、でも演技（彼女の場合はテクより演技！）は素晴らしかったです。何となく、4日より可愛い感じがしました。２幕の踊りで泣けなくなったのは、こっちが純真ではなくなったんでしょうか(笑)
また、単なるアクシデントでしょうけれど、ガムザッティにナイフで斬りつける時、ナイフの上にベールがのっていたので、ベールを払いのけてナイフをつかんだので…　殺意を感じてしまいました。
　

アラーシュ。前回は１幕の幕切れは両手を胸に苦悩だったのですが、今回は殺すマイムがありました。と、言うことでニキヤが蛇にかまれた後も前回の物見遊山的な態度と異なり、ニキヤを見下すためか立ちふさがるように堂々と構えていました。これって、ニキヤが誰が踊るかで変わるのか、それともその日の気分で変わるのか・・・謎。ラジャ＝パパに取りすがるシプリナ＝ガムザッティなどもあり、ラジャ役も相手（気分？）で併せる演技も変わるので大変そう…
でも、アラーシュの高ビー＋ニキヤ見くだし＋妙に自信満々の割にちょっと抜けてそうな？ガムザッティの役作り好きです。彼女の場合、ここで終わらずロイヤルやマールイのような結婚式〜崩壊がある版で見たいものです。
　

ウヴァーロフの代役（？）のネポロジニー。彼の踊りはダイナミックな割に繊細さがあって良いのですが、演技が淡泊。軟弱クラッスス（！）の演技も出来るのだから、もう少し何かして欲しかったです。何しろ女性二人が超濃厚な演技でしたから。これでは、美女二人が取り合うような奴？と突っ込みたくなる感じです。流れにひたすら身をまかせて…というのは筋書き通りのソロルではあるのですが。
　

謎。黒人の設定の踊りですが、初日、２日目のマチネは顔を塗らず、２日目のソワレから黒く塗りだし、神奈川県民ではベタ塗りでした。この役は顔は塗ってあるものをどこでも見ていたのですが、今回は何故はじめからでなく途中から塗ったのでしょうか…？
　

謎ついで。グラチョーワは次回は5/13の兵庫のバヤデルカ。その間のファラオは踊りません。彼女はファラオの初演メンバーなのに…しかも当初はキャスティングされていたのに！見たいのに(;.;)

ついに最終日。フィーリンはザハロワと踊るのはあまり好きではないのでしょうか？　東京最終日という事もあるのかもしれませんが、アレクサンドローワと踊っている時の方がノリノリだった気がします。特に２〜３幕へかけて二人の演技がどんどん濃厚になっていって…漁に行く前もずーっと手をはなさいし（ザハロワの時はさっさと出かけたので、ザハロワが椅子に座ったりポーズとったりしていましたが、アレクサンドローワはすぐヌビア王が来てしまっていました）、キスシーンもすごーく長かった。（笑）
ドンキ（全幕）だとアレクサンドローワ＝キトリの尻に敷かれている様なフィーリン＝バジルですが、今日は対等でした。王女様を敬っているというより、はじめから恋の対象で、最後は愛になっていましたね。
フィーリンはツィスカリーゼと比べるとやはり足さばきが雲泥の差。フィーリンとアレクサンドローワと一緒に動く部分ではアレクサンドローワの動きが鈍く感じる程でした。
こちらが見慣れたのか、ダンサーが慣れたのかコールドもほどほどに揃っていたようだし、後半になるとみんなののりが良かったです。
ボリショイの面白いのは脇役（そのた大勢）が日替わり演技をする事。今回のメインはジャン・ブル＝パッシフォンテでしょうか。この楽しみのために１つの演目を複数買ってしまうのです。
そういえば、ロパレヴィッチが踊りらしい踊りを踊るのってこのファラオぐらいな気が。
アイ・メイクがウジャトの眼（←）になっていて、ウケてしまいました。
それにしてもやっぱり舞台が狭い…（笑）
エジプトのシーンが終わる（あのメロエのピラミッドなんとかして欲しい…）時、有翼の女性が出てきますが、（多分アクセントだけ）モスクワで見たとき、「あ！」と言う間に暗くなりよく見えなかったこともあり、ネフティスとイシスだと思っていたのですが、見るとどちらも同じ冠を被っているようでした。それもネフティスの方の…
ちょっとおまけで。ファラオの２幕の一番後ろにあるセット（ボリショイ劇場→）
後ろの方にある鐘（見えないかな）は、イワン雷帝の時のらしいです。
　

2006.05.11記載 ちょうど４年ぶりの「ファラオの娘」。
「ファラオってこんなつまらなかったっけ？」というのが初日の感想。
舞台が狭い、行進の宮殿メンバーがエキストラなので全く見栄えしない　という全体的な見た目を除いても、わくわくしませんでした。
確かに初めて観たときは、期待もありわくわくしていたためもあるかもしれませんが、今回の日本公演は次の日は面白かったので、主役が違うだけでこうも違うとは　ちょっと驚き。ザハロワは悪いダンサーではないのに…
バヤデルカの時もセンターにいるときはきれいなのに、端に行くとバラけてしまったコールド、今回は全体的にバラバラでした。それでも・・・・建築現場の様なパリ・オペより足音も小さくずっとマシでしたが。

ザハロワ、お姫様のようにきれいなのですが、キャロル（by王家の紋章 笑）かと思うような金髪のまま。お姫様はお姫様でもまるで西洋のお姫様。古代エジプト人が黒髪でストレートという事は実際は無いのですが、（ヘンナで染めていたこともあり、茶髪でしかもウェーブヘアーが多い）、周囲がみな黒髪カツラの様な髪型なので、一人だけ別世界の人物のようでした。ちょっとヘロドトスの歴史に書いてある一文を思い出しました。（マニアックなネタなので省略します）
髪の色を暗くするとかして、話の主人公に見た目もなって欲しかったです。
彼女はテクもちゃんとあるし、それなりに演技もしているのですがどうも今一つ。バヤデの時も思ったのですが、彼女は遠めで観ても分かるような体全体での演技力が乏しいというか小さい感じ。なので、表情などが良く見える前の席では良く見え、見えない後ろの席では今一つに感じてしまうような…
一方のアレクサンドロワはお姫様というより女王様。（まぁ、原作のアスピッチャにあたるタオゼは女王様になる訳ですが...）個人的に包容力のあるラムゼヤがお気に入りでしたが、堂々としたアスピッチャもなかなかでした。多分、ツィスカリーゼ＝タオール、ヤーツェンコ＝ラムゼヤとがうまく噛みあっていて舞台が面白かったのだと思います。
それにしてもキャスト外れてしまったグラチョーワ、彼女が果たしてがどんな役作りをしたのか…見たかったです。（ダンサーって日によっても違うし...）

ラムゼヤも少し。バヤデのソリスト役でいいなと思っていたオシポワは、可愛いくえん技していましたけど、翌日のヤーツェンコのコミカルなラムゼヤの方が良かったです。まだ若いしこれからでしょうね。もっとも違いを見るのも面白いのかも。アスピッチャよりもラムゼヤの方がバリエーションが出来るようですし。アレクサンドロワのアスピッチャ＝アナニアシヴィリのお姉さんのような包容力のあるのもよかったですし。
ちょっと気になったのは、アレクサンドロワがラムゼヤだったとき、「主役喰う振付だなぁ…」と思ったのでしたが、今回のメンバーではラムゼヤはそれほど目立っていませんでした。アレクサンドロワだったから…？

フィーリンとツィスカリーゼ
足さばきはやはりフィーリンが秀逸。
ただし、全体でみるとツィスカリーゼが良かった。彼がこんなにはまるとは思いませんでした。(笑)　彼は王子様役で見ると体の柔らかさとカマっぽい部分があるので違和感大なのですが。あまりカマっぽさも無かったですし。ただ、古代に迷い込んだ西洋人というより土着のエジプト人のようでしたが。ツィスカリーゼとザハロワが組んだら、王家の紋章が作れそう…など思ってしまいました。

ナポリのシーン（本当はナイルの川底のはずだけど）
初めて観たとき、あの怪しげなジーさんの川の神に凄い違和感があったのですが、アスピッチャが流されて地中海に行ってしまい、あれは地中海の海の神ポセイドン　と思うようにしました。こうすると違和感がないです。（笑）

余談
チャリオットを引いているウマ。道産子（ポニー？）が出てきたのでちょっとショックでした。(笑）
ボリショイはサラブレッドが引いているのに…　それよりも落ち着きがなく特に初日はどんどん行ってしまうので、舞台が狭いため、ウマを出す演出に変更したのかな？とすら思ったほど。チャリオットに乗った後、アスピッチャが手を振りながら悠然と去っていく・・・筈が初日はザハロワ＝アスピッチャが手を挙げたとたんチャリオットが跳ねるほど勢い良く出発。必死に掴んでいましたね。（翌日のアレクサンドロワは乗った時からしっかりチャリオットを掴んでいました）ザハロワの時は本当に落ちやしないかと一瞬ヒヤっとしました。このところのＮＢＳは疫病神に取り付かれたようで、けが人続出ですから。。。

キャストはとりあえず　主役（というかバレエを踊る人）のみ。

数年前、アクロバットの白鳥の湖があるらしい　と聞いた頃から絶対に見たいと思っていた作品。

ストーリーは黒鷹に白鳥にされた女性の幻影をみた王子が彼女を探して世界中を巡って、紫禁城で彼女に出会い・・・
で白鳥の湖＋シンデレラというような構成でした。
雑技団（サーカス）なので、バレエ的要素は少なくほとんど曲芸、つまり普通のサーカスで衣装がバレエっぽく、かつバックミュージックがチャイコフスキーの白鳥なのかと思っていましたが、白鳥のアダージオや黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥの部分をバレエの振付にをメインに曲芸をつけた振付けで、嬉しいと言うか予想外でした。曲芸もチャイコの曲でするわけですが、音をちゃんととっているので違和感もなく、自然に見ることが出来ました。
惜しむらくは、演奏のテープが時間の長さを調整するために音楽がぶつ切りの所があったことでしょうか。

で、やっぱり注目は勿論頭上アラベスク。
プロモでＴＶ番組などに登場したりしていたそうですが、私は映像では未見で、見たのはチラシのみ。バレエでも写真を見て「凄いきれいなポーズだなぁ…」と思っても実際に見たら「あ！」という間の一瞬芸だったりするので、実はこの頭上アラベスクも一瞬芸に近いのかも？と勝手に想像していました。ですが、写真のあのポーズを何気なく繰り出し、キープしているだけで凄いのに、頭上アラベスクの時はゆっくりと（女性だけで）回転し始めたので目が点になりました。
友人が「彼女のローズ・アダージオが見たい！」も分かります。
バレエもある意味曲芸（普通の人出来ない芸　という意味で）ですから、どこぞのバレエ団に客演でもしないかしら（笑）。

それにしても呉がロシア公演で演技してウラノワ賞をとったというのも分かります。
ダブルキャストで白鳥も踊る黒鳥を踊った許もかなりバレエは上手かったですが、呉は本当に急造とは信じられません。勿論、その他の出演者ももポワントしながら（通常の）曲芸をするのですから、大変だと思いますが、バレエを主にすると、いわゆるコールド役と主役との力量の差は歴然でした（各々芸自体が違うから比較自体は変だと思いますが）白鳥のコールドは、１幕部分はローラースケートのようでしたが、ロングドレスの衣装（ちょっとお気に入り）なので真実は不明(笑)。最初モイセーエフバレエのパルチザンのようなすり足かと思いましたが、ローラースケートでした。２階席だったのでフォーメーションを作っていく部分がきれいでした。
で、チュチュになった２幕（黒鳥の場と最後）は、イマイチ・・・という感じ。急造バレリーナなので、手よりも足のさばき方がどうしても荒っぽいのかも。

尚主役の振付の点では逆立ちして足で白鳥の羽ばたきを表現する部分がちょっとでした。「芸」としては見せ場の１つと言うのは分かりますが、大股開きなのでちょっと美しくないですね。
この作品では、4羽が狂言回しで女装で出てきます。まるでXXxXXかXXXXxXXバレエ団の様。実際に４羽の部分を踊る（？）のは４匹のカエル。友人曰く「４羽の曲ってカエルっぽい！」・・・確かに出だしの音はゲコゲコって言っている気が。

ちなみに王子役は熊川を参考にした（とプログラムに書いてある）ので顔のつくりが似ている？というのか確かにそれっぽいです。
但し熊川と違って芸上が支柱役（失礼な言い方だけど）でバレエっぽいジャンプなどはありませんが、立ち振る舞いなどバレエっぽくやっていたと思いますよ。それにしてもポワントで肩や頭上に乗せるのを支えるのはホント大変そう。こういう芸は裏方（支柱役）に回る方の力量が必要なんですよね。
よく考えれば、本家のバレエでも２幕のアダージオなんて王子はホント支柱役でしたね。

黒鳥と白鳥の入替部分、いわゆるイリュージョンですが、あんな本格的でなくてもバレエでも使うと効果ありそうだな〜と思いました。
バレエも今はたいしたことでなくても、多分当時はかなり曲芸的だったんでしょうから…（シルフィードの空中吊りとか、迫とか）

それにしても、これを見てしまったら、普通のバレエの白鳥の湖を見たら物足りなくなりそう…
バレエ以外の感想はこちら

フェスの余計な話はこちら 　

全幕プロ「白鳥」
前日に見たアクロバティックの印象が強すぎて、客席の反応とは逆に全然盛り上がれず。
よく考えたら上野水香の全幕クラシック始めてだったのですが、・・・でした。
上述でアクロバティックのコールドはたいしたこと無いと思っていたのですが、東京バレエ団のコールドの方が下手でした(;.;)
元々東京バレエ団のコールドはあまり好きではないのですが、以前はマスゲーム的とはいえ、揃う事は綺麗に揃っていたので、今回ばらけているし、音ははずしているしでがっかりでした。
マルティネスは、急遽なので精神的になりきっていないのか不明ですが、ただお気楽に踊っている感じで、王子としてのポリシーを１筋ぐらい通して欲しかったです。（演技的にオデット一筋の信念が感じられませんでした）
フェスの全幕版と言うのなら、（踊らない）王妃役とかに招聘したダンサーを出すとか、ちょっと遊び心欲しいですね。何人か客席で遊んでいたようですし。

Ｂプロ、ガラまとめて。
オケは時々「！」となりましたが、そら耳だろうと（笑）。東芝のオケを聞いたこの身には、この程度なんて十分合格点。 Ａプロは日程的にパス。結果Ｂプロとガラだけ行くことに。Ｂプロは自分苦手なモダン系が少なくて良かったのかな？
曲芸（長時間バランスとか）ダンサーが増えた気が。ガラなので一組は居た方がいいけど、長バランス連中はたくさんいてもあんまり意味無いですね。それもが足震えているし。アクロバット白鳥の湖を見た後だと、あの程度のバランスでは驚きもしないです。いっそアクロバット白鳥のカップルをいっそ呼んだ方が良いですね。
曲技組のキューバカップルは、踊りだけでなく独特の？演技もあって面白かったです。ディアナとアクティオンもですが、赤い冠がニワトリにしか見えない黒鳥は濃〜い演技で爆笑。おまけの方もこの二人は凄く良かった。おまけというとマルティネスのフラメンコ凄く良かった。マルティネスって淡々として自分的にはつかみ所の無い幽霊のような（失礼！）イメージを持っていたのですが、気迫もあったし、感激しました。間に入れたおふざけオンガクオネガイシマース！や携帯話なくてもＯＫだったです。
後はカレーニョ。化け物ジゼルに比べたら…美しくなりましたね。（笑）
後は、イナキが上手になったな…と。というか主催者自身が彼のことをがあんな言い方して良いのでしょうか？
「誰かが止めろと・・・」などと佐々木氏言ってましたが、止めてもらうまでやる気なのだったら、花のあるうちにやめるべきでしょうね…フェス。惜しまれつつやめるのが美学なんじゃないでしょうか？
最近のフェスはおまけがなかったら、高額、長時間、つまんなーいで終わりそうです。顔ぶれはメインがマンネリだし。良いなと思っても次回来ないダンサー数多し。
そして本当に年々長くなる？それ故休憩が問題。２部の後以外は１０分。２０分ある２部の時はの２０分。カーテンコール１回ぐらいは…と思いましたが、幕がしまったとたんトイレへ走る人が大勢いたので、自分も出てしまいました（ダンサーさんごめんなさい）。ドアに近かったので全然OKだったのですが、出てきたら、見たことも無いほど長蛇の列。２列に並ばせているのに２階の階段も上まで（以降見えなかったです）並んでいました。
欧米人と違って日本女性の膀胱は小さいから、トイレが近くなっちゃうんですよね。だから幕間にのんびりシャンパンやワインを飲みながら社交を…なんて優雅にならない。幕間にトイレに行けなかった時なんかは気もそぞろになって舞台へ集中できないし。ダンサーも多すぎるし、１回ずつでも演目多いし…　止める止めないはさておき、いつも同じ文句を書くことになるので、いい加減イノーべーションして欲しいです。
さすがに見たわけでは無いのでしょうけど、「ロミオとジュリエットのバルコニーシーンを振付家毎に並べて上演してみるとか」と以前書いたのに近い事を言っていたのに失笑です。
ちなみに、白鳥のコールドいりませ今回のパターンなら、スターズ・アンド・ストライプにコールドつけて全部上演してくれた方がいいですね。お祭りだし。音楽はオケでなく、その辺の高校のブラスバンド部にでも頼めばMore Better。

前回のをきちんと覚えているわけではありませんが、ちょっと変わった？違うかな？と思った点。
アブデラフマンの踊りが増えた…かな？　前回、わざわざ客演ダンサーこれだけの踊り出招聘したの？というぐらいアブデラフマンの踊りが寂しかったので、今回は随分踊っているなぁ…　という印象をもちました。踊りは増えたのですが、決闘のシーンは今回は平凡で、以前テューズリーの時は階段上からジャン飛び超えた（たしか…）り、ジャン役のウヴァーロフが床を転がったり（ちょっとラブロフスキー版のロミオとジュリエットのロミオとティボルトの対決の場に似ていました）と派手に立ち回っていたので、今回は随分あっさり終わってしまった感があります。
それと、アブデラフマン（森田）とザハロワとの背のバランスが非常に悪く、ザハロワが踊りにくそうで（姿勢も崩れていた）気の毒でした。
　
そのザハロワは、前回は何を考えているのか今一つ掴みにくかったライモンダだったのですが、今回は感情の起伏はかなり分かり易くてよかったです。但し、踊りの方はというと調子が悪くてもうまく誤魔化せる彼女にしては、珍しく崩れている部分が２日とも見受けられました。後は、ザハロワの振りがボリショイ版のライモンダの振りがかなり多かった気がします。（１幕の誕生日のシーンの出の部分など）以前はヴァリアシオン以外でボリショイと同じだと思う部分があまりなかった気がしたので、ちょっと謎。（ちょうど１年前ボリショイのライモンダのネット中継を見たからかもしれませんが）
ジャン役のコルスンツェフは、マトヴィエンコの代役からウヴァーロフの代役までやることになりましたが、連続になった割には、卒なく踊っていたと思います。ザハロワとは丈のつりあいが良かったです。ただ、２幕のアブデラフマンとの敵対場面など、全体に淡々と踊っていたのと二人の間が妙にさっぱりしていたので（笑）物足りなかったです。
　
今回、全幕コールド付バレエを見るのが7/31の東バの白鳥（フェスの特別プロ）以来。新国はコールドの年齢が高いのか（メイクが違うのか）、東バに比べるとずっと落ち着きがあり、ちょっと大人の雰囲気。また殆ど揃っていて、舞台が引き締まったと思います。但し、日本のバレエ団共通ですが良いのは女性のみで、男性は・・・　(^^;)
　
ただ、演出的に(前からですが）「う〜ん・・・」と思う点。
ハンガリー王よりも伯爵夫人の方が格上かのように見えてしまう。（世の事情でそういう場合もありますが）
アブデラフマンとジャンが決闘始めたところにハンガリー王が入って一時中断させ、再度決闘（手袋なげているから正式？）が始まる。ボリショイ版の両者睨み合い⇒ハンガリー王の決闘指示⇒決闘の方がすっきりします。
後は、演出上どうしてもライモンダの心情が凸凹になり、流れていない気がします。ジャンと分かれた後に誕生日でるんるんで登場、その後ジャンを思って寂しげになる…でも、明日帰ってくるのだから、嬉しそうでも良いのでは…
と思ったりして、私としては、のれないです。本来の筋がこちらが正しいとしても、ボリショイ版の方が話がライモンダの気持ちの流れはすっきりしていると思います。

Ａプロ カルミラ・ブラ−ナ う・・・んでした。コールド役のダンサーのあまりにもバラバラなことが見ていて不満。新国との狭間でしたので余計感じました。東バの狭間だったら感じなかったかも知れない（笑）。
ソロパートを踊るダンサーは良いのに、周囲（コールド）が揃わないのでどうしても舞台にしまりがない。
気になったのは、背景の中央のつきの様な丸い部分に仏陀が描かれていて、端のほうにある磔刑のキリスト図がライトとの当る加減が弱い部分なので目立たなかった事です。歌詞、曲調が中世欧州風なので、どうしても中央が仏陀なのが妙に気になりました。
　
アダージェット
大分前から書いていますが、アクが抜けてしまったルジマートフで見ると物足りないです。「静」を感じる舞台としてこの作品だけなら良いのだけど、全体的に以前感じていた「動（でもないんだけど…）」の部分が薄れてしまっているのかな。
今のルジマトフは姿勢が良すぎる気が…　以前は崩れていて（少し崩して魅せるダンサーもいますが、彼の場合はかなり偏っていた…）、それが、正統派のバレエでは厭味になる部分が、こういう作品では味になっていたのですが。 　
シェヘラザード
シェヘラザードのゾベイダは、妖艶なマハリナが一番！という個人的な事で楽しみでしたが、以前に小太り（ダンサーとしては）気味の体系で登場して、ガリ痩せで骨皮のゾベイダよりは肉感的で良いんだよ　と思いつつもバレエダンサーだし…とショックを受けたことから、幕が上がるまで非常に不安でした。ですが、登場したマハリナは細くてそれでいてメリハリがある体系でうれしかったです。
マハリナのゾベイダは、立っているだけで艶しめかしい。黄金の奴隷との絡みでは完全にもてあそんでいる表情、死を賜るシーンでは表情が全く異なり、最後の場面は悟りを開いたように至極冷静。 　
今回ので演出的にイマイチだったのが、シャリアール王がゾベイダに渡すのが数珠。数珠を持っているのは中東（イスラム）では凄く当たり前なのでＯＫなのですが、それをゾベイダのあげる（？）のがちょっと妙かな…と。以前他のバージョンではゴージャス系のアクセサリーだったと思うのですが。しかも宦官から鍵を奪うためにその数珠を渡すのも・・・。
後、Ｇ．タランダが太ったのか、迫力というか凄みがなく、品の良すぎるシャーになっていてちょっと寂しかったです。（後宮皆殺し？するのだから冷酷さが欲しいです）
　

Ｂプロ まず、インペリアルの演目ダッタン人の踊り、ワルプルギスの夜。
相変らずコールドが揃わないのですが、この２つの演目だと多少揃わなくてもまぁいいかな？と思えます。但し、ダッタン人の踊りとワルプルギスの夜では、前者の方は迫力があったのに対し、ワルプルギスは踊りこんでいないのか？振付通り踊ってます状態で、もう少し砕けても良かったかなと思います。酒宴ですから…
ソリストはそれなりに良いのですが、ワルプルギスのバッカスのダンサーが見た目アポロン？風でしかも生真面目な表情で踊るので、とってもバッカスに見えませんでした。
　
マハリナはソロ２演目。
プレリュードは彼女の出す体のラインがとてもきれいでした。彼女の演目はこのプレリュードと瀕死の白鳥。どちらも「静」をイメージする作品。ここの所彼女はマリインスキーでも来ないし、他のバレエ団と来てもシェヘラザードばかりなので、もっと濃厚な演技をする作品も見たかったです。
瀕死の白鳥は、以前は艶やかで最後にとても死んだと思えない白鳥でしたが、その時より、全体におとなし目でした。ただ、彼女の場合、死にかけたというより、突然死に見舞われた　感じがします。まるで椿の様。（ハラハラと花びらが散っていくのではなく、花ごと一気に散ってしまう感じ） 　
シェヘラザード
マハリナで見た後だとやはりザハロワでは演技に物足りない感じがします。踊りはさすがに素晴らしいのですが、ザハロワが醸し出すゾベイダの雰囲気は妖艶マハリナとは相反してクールビューティー。華奢な体もあって、マハリナと同じようにシナをとったポーズをしても艶気がないです（むしろ、凄みがあった）。
黄金の奴隷とのからみは、完全に命令を下す冷酷な女主人といった雰囲気でした。
二人の最後を見比べると　王が死を命じたとき、ザハロワは私なら何をしても王は許すだろう　の様に高をくくっていたのに以外　という非常に驚いた風の演技、一方マハリナは悟りきったように冷静…実はあまり助かりたくない、死を望んでいたかのような演技の違いが面白かったです。
ルジマトフは、静（冷）と動（艶）のように違う二人のゾベイダに対してどう変わるのかちょっと期待したのですが、わが道を行くというのかあんまり変わらなかったですね。今のルジマトフ自体が（かつてに比べ）静になっているので、マハリナとのコンビの方が良いように思えます。

新演出という事ですが、感想はふ〜ん。（笑）
細かい変更箇所は色々ありますが、大きくいうとプロローグがある事ぐらい。ラストはハッピーエンドのまま。まぁ、ハッピーエンドでも良いのですが、合体ラブラブ光線(王子がオデット担いで歩き回るとロットバルトが自滅）のパターンは、別に目新しい演出でもないし、以前のセルゲイエフ版の王子が羽根をもぎってくれていた方が一目瞭然で良いのですが。
他にも花嫁候補が各国のなのですが、どうせならグリゴローヴィッチ版のように民族舞踊でソロがあった方が個人的には好きです。
今回は１−２幕を連続上演（これは今はどこでもそうですが）、３−４幕を連続上演し２幕仕立てにしていますが、その効果は全くなし。グリゴローヴィッチ版のように幕が下りずに場面が切り替わっていくのなら分かるのですが。３−４の間に休憩はないけど幕−セット交換−４幕。ただ、休憩時間がないだけです。
４幕（湖畔）の冒頭に内幕の前で王子のソロを入れているのですから、ここで場面転換にして話を区切らないなら、３−４幕を続けた意味がでるのではないかと。
尚、コールド…白鳥たちが22人構成でした。これも効果不明。
装置、衣装については、以前より落ち着いた感じが出ています。ただ日本人が着ているせいか新疆ウイグル自治区の民族舞踊もどき？？？と思えてしまう部分もありましたが…
ルースカヤの振付は何か全体的に変（ロシアっぽくない）でした。
今回、２階席とかぶりつきで見ましたが、気になった点。３幕（舞踏会の場）で、オデットが写る窓というか石タイルの壁のような部分。１階席で見ると踊りを踊る舞台より高いので踊り手が反射しませんが、２階席から見ると踊っているダンサーが反射して写っています。これが鏡のような明確画像ならともかくもやぁ〜っとした状態でわらわらと写っているので、非常に目障りでした。 　

主役二人。マトヴィエンコだとやはり背が…。ザハロワとマトヴィエンコは２幕（湖の場）で二人揃ってシリアス過ぎる気が。特にマトヴィエンコは３−４幕の演技は良かったのに、２幕では　人類滅亡の日を迎えた様な苦悶状態。
ザハロワはいつも通り。（もう型にはまってしまったような…）新国のソリストが以外にタメが無いので、彼女のタメがある踊りを見ちょっとほっとしました。
　

余談。ロットバルト＝市川ですが、今回髭面半魚人。（いや鳥だろうけど、どう見ても…）
あのおネエロットバルトも結構笑えましたが、彼の場合は、王妃の横に座ってゲイをしてくれないのは、今回も同じなので、見た目存在感があるおネエの方が良かったです(笑)　ヴァリアシオンの時に多少王妃と話していましたが。１幕の道化と給仕のやりとりとか、結構芸を入れている部分もあるので、この冷たい関係（？）は改良の余地あり　でしょうか。
尚、オケは金管でなく木管がスカを随分やっていました。（特に初日）

平日が多くて、（この忙しい時期に・・・ブツブツ）今回は、前売り時にキャスト発表なし（前回というかいつも？当てにならないキャスティングでしたし）、となると ３つのガラの内、客演で比較的来日するヴィシニョーワよりは、なかなか見られない？ロパートキナの方を選びました。私としては前々回の来日公演のバヤデルカ以来。
まず、印象としてバヤデルカのニキヤの時は、どんなシーンでもクールに見えたのですが、演目上なのか今回全体的に実に楽しそうでした。
ロパートキナが主役なのですが、個人的に印象に残ったのはコルスンツェフ。最近ライモンダで見たばかりなのですが、動きにすごいキレがあり、「こんなに踊れる人だったの！！！」と驚いてしまいました。今まで背が高いという意外、自分にとっては「とりあえず可かなぁ…」ぐらいのダンサーだったものですから。（笑）
主役より気になったのが、コールド。元々マスゲームの様な揃い方はしていませんでしたが、この音のとり方のバラバラぶりにちょっと目が点になりました。ライモンダの男性陣ソリストもですが、目障りでしょうがないコールドでした。
ソリストでは、パキータではテリョーシキナ、ライモンダではゴールブが目を引きました。

かなりキャストもが揃っていたかと思うのですが、何か主役のヴィシニョーワがかすんでしまいました。
その昔見たときに比べると、その他大勢の演技が何かとても濃かったです。（笑）
一番はまっていた？のがランゲデム役のファジェーエフで、反対に見た目はなんか細くて頼りなげで今一つだったアリ役のサラファーノフは、踊ったら凄かった。（笑）多分、２幕のコーダのフェッテ前の拍手はヴィシニョーワの登場だからではなく、完全に前に踊っていたサラファーノフへの拍手。カーテンコール時も彼が出てくると　ゥオ〜という感じで完全に主役喰ってましたね。
ギュルナーラ役のオスモールキナは、フェッテの時にドゥブルを入れるのですがその後普通に回らず、必ずトントントン３回ステップを踏んで次のシングルを回っていました。最初はバランスを失ったのかと思ったのですが、必ずドゥブルの後入っていたので、クセなのかもしれませんが、見ていてあまりきれいに思えないので、シングルできれいに回って欲しかったです。 コールドの方はガラほどひどくはなく、とりあえずホっとしました。

前回来日の2003年に白鳥を観たのが本日と同じ12/9。しかもオデット／オディールはこれまた同じパウレンコでした。因縁か？（笑）
キャストをと見ると前回と道化が同じだったりしていましたが、若干は世代交代？があり。
王子役のファジェーエフ。数日前海賊で見たランゲデムと比べると、前々冴えてませんでした。品を保とうとしたのが、かえってやる気がない様に見えてしまいました。王子役よりもっと個性の強い役の方が彼は向いているのかな？　それと以外だったのが背の高さ。低かったです。パウレンコと同じ？しかも痩せ型のせいか、パウレンコが異様にでか女に見えてしまいました。背の高いコルスンツェフの時はパウレンコがでかいなんて思わなかったのに。
そのパウレンコ。３年経ってもアイメイクが同じでした。強烈頬紅は無かったですが、あの横に長〜い目になるアイラインの入れ方は今一ですね。と思うのですが、メイクを見たとたん　あ・前回も彼女だったわ　と気づいたのである意味便利（笑）
黒鳥は今回凄く良かったです。アダージオで上目遣いで王子を見ながら（でも、折角の上目の目線なのに、王子が低くてその下…）、王子がだまされているのが楽しい〜♪とばかりの含み笑い。前は結構仏頂面が多かったので、良かったです。ヴァリアシオンは仏頂面でしたが。フェッテはちょっと危なかったですが、あの演技で私個人は満足です。大口でのけぞり笑いも健在でしたし。
ガラの時に揃わなくて、ちょっと恐怖心のあったコールドも踊りなれているからか揃っていたのでよかったです。白鳥はやはり揃っていないと。
前回の来日、恐怖だったオケも今回はかなり良かったです。３幕でちょっと間抜けな音がしてましたが…

　　　　　　マーシャ　T.ミリツェワ
　　　　　　　　王子　A.マスエロボ
　ドロッセルマイヤー　A.ポドショーノフ
　　　くるみ割り人形　D.トルマチョフ
　　　　　　フリッツ　R.マミン
　　　　　　　　　父　A.マラーホフ
　　　　　　　　　母　N.オシポワ
　　　　ネズミの王様　A.チェスノコフ
　　　　コロンビーナ　A.ガブリレンコワ
　　　　　　　ピエロ　D.サリンバエフ
　　　　スペイン人形　E.カシチェーワ、N.クリギン
　　　　　　中国人形　V.シシコワ、A.クズネツォフ
　　　アラビアの人形　A.ヴィジェニナ
　　　　　パストラル　A.ロマチェンコワ、Y.アヴェロチキナ、A.プローム
　　　　　トレパック　O.ポリョフコ、A.スホワ、R.マミン、P.シャルシャコフ

毎年恒例で、レニングラードのくるみで今年は幕引き。（で、またレニングラード国立バレエで始まる来年…）

見慣れたとはいえ、演出は人的には相変わらず今ひとつ。特にくるみ割り人形と王子が入れ替わる部分。この演出だと王子いらないｋら人形のままで良いじゃない？という気分に私はなるのですが(笑)
さて、くるみ割り人形役のトルマチョフは２年ぶり。ますますパワーアップしたような。毎年？クズネツォフと交代で見る事に偶然なっていますが、二人とも人形ぶりは甲乙付けがたしです。今回はコロンビーナの人形ぶりもなかなかでした。回転に入るとどうしても普通（人間として）踊ってしまうものですが、彼女はなかなか人形ぶりが板に付いていました。
主役のミリツェワは、くるみのマーシャ役は今回が初見。大人っぽい綺麗なお姉さんという風情があるので、どうかな？と思いましたが可愛いらしく演じていました。どうみてもおじさんくさい弟と一緒だとなおさら。（いや、彼も良くやっていますが…）

オケの方は良かったです。（年々音が派手になっていく気もしますが）席はオケボックスが見えない席でしたが、打系（シンバル、タンバリン、トライアングル…）がノリノリでそこがバリバリはいると楽器だけオケボックスから飛び出すのが見えていて、ちょっと笑ってしまいました。
恒例の衣装陳列　うっかりデジカメ忘れでケータイで撮影